課程博士の小宮祐人氏が下記により博士論文公聴会を行ないました。
- 講演者:小宮祐人 氏(課程博士)
- 演題:壁面内装の表面材厚さと下地材が着火性・発熱性・燃え拡がり性および室の燃焼拡大性状に及ぼす影響に関する研究
- 本研究では、内装材が下地材の上に張られた状態(以下、表面材)において、表面材厚さと下地材が表面材の着火性、発熱性、燃え拡がり性およびこれらが複合的に作用する室規模での燃焼拡大性状に及ぼす影響について検討した。
着火性に関しては、熱伝導解析を用いて表面材厚さと下地材の影響を考慮した着火時間の予測式を導出し、実験によりこれを検証した。従来の着火時間予測は、熱的厚壁もしくは熱的薄壁のいずれかの予測式を択一していたが、実用的な内装材料はどちらにも入らず、熱的中間壁に属することを示した。その着火時間の予測式を理論的に導き、実験により検証している。
次に、発熱性、燃え拡がり性に関しては表面材厚さと下地材の影響を実験的に検討した。その結果、表面材が薄く、下地材の熱慣性が大きい場合には、発熱速度および燃え拡がり速度が小さくなることを明らかにした。
続いて、室の燃焼拡大性状について、種々の厚さの合板で壁面を内装した模型室での実験により測定した。その結果、内装材が薄いと燃え拡がりが早いが、燃え尽きも早くなるので結果的に燃焼は穏やかであった。一方、内装材が厚いと着火、燃え拡がり、裏面への燃え進みが遅くなるので、フラッシュオーバーまでの時間が遅くなった。燃え拡がりが早く、裏面への燃え進みも早くなる中間的な厚さの内装材では、フラッシュオーバーが早期に起こる可能性を示した。
内装の性能を総合評価するため、既往の室内装の燃え拡がりモデルを改良して感度解析を行った。中間規模実験との比較検討を踏まえた上で、表面材厚さと下地材が室の燃焼拡大性状に及ぼす影響を調べたところ、中間的な厚さの内装材で下地材の熱慣性が小さい場合にフラッシュオーバーに早く至る傾向を再現した。
- 日時:2025年8月20日 13:00~14:30
- 場所:桂キャンパスC2棟102講義室およびzoom による配信
